Alteryx Server2019.2でもっと簡単にCollectionを使ったワークフローの共有・メンバーの管理ができるようになりました
「Alteryx Serverを導入してみたはいいものの、みんなにどうやってワークフローを共有すればいいんだろう…」
…という悩みは、Alteryx Serverを導入した方なら一度はぶつかる壁ではないでしょうか。
バージョン2019.2ではユーザーごとにワークフローやインサイト、ユーザーの追加・削除・更新を行えるようになり、より便利に進化しました!そんなCollectionを使ったワークフローの共有や実際の使い方についてご紹介します。
もくじ
- 前提条件
- Collectionの基本
- Collectionとは
- Collectionの作成
- ユーザーの権限と追加・削除
- ワークフローを追加・削除・更新する
- Collectionにワークフローを追加する
- Collection内のワークフローを更新する
- Collection内のワークフローを削除する
- Private Studioを追加する
- Collection運用例
- Permission付与の例
- Collectionの使い方の例
- 最後に
前提条件
以下環境で動作を確認しております。
- Alteryx Server 2019.2.5.62427
- Alteryx Designer 2019.2.5.62427
Collectionの基本
Collectionとは
Collectionはワークフローを共有するための機能です。Collection自体にワークフローが保持されているのではなく、ワークフロー自体はStudioに属している形となります。
Collectionの作成
まずはCollectionを作成してみましょう。Collectionの作成はArtisanもしくはCurator権限のユーザーのみ可能です。
メニュー「COLLECTIONS」→「ADD COLLECTION」をクリックします。
名前をつけてADDをクリックすると直ちにCollectionが作成されます。
ユーザーの権限と追加・削除
次にユーザーを追加してみましょう。USERタブを開き、「ADD USERS」から追加可能です。
追加ユーザーにどのような権限を与えるかを決定できます。
Admin
- AssetsのAdd/Remove/Update、UsersのAdd/Removeの権限を持つ
Assets
- Add
- ワークフローやInsightをCollectionに追加する権限
- Remove
- ワークフローやInsightをCollectionから削除する権限
- Update
- ワークフローやInsightを更新する権限
Users
- Add
- Collectionにユーザーを追加する権限
- Remove
- Collectionからユーザーを削除する権限
なお、Collectionの権限設定よりもCurator/Artisan/Member/Viewerのロールが優先されます。
- Curatorの権限を持つユーザーはCollectionの権限にかかわらずAdminと同様の操作が可能となる
- AssetsのUpdate権限を持っていても、ワークフローをアップロードする権限を持たないユーザー(Member/Viewer)は更新できない
Alteryx Serverのユーザー権限に関しては以下エントリをご確認ください。
ワークフローを追加・削除・更新する
Collectionにワークフローを追加する
ワークフローを追加する方法は2通りあります。
Add Workflows
CollectionのWorkflowsタブ右上の[Add Workflows]ボタンから追加可能です。
Private StudioからCollectionに追加
Private Studioを所有している場合、Private Studioからワークフローを選択し、[Sharing]を選択することでAddの権限を持つCollectionに追加可能です。
Collection内のワークフローを更新する
Collection内のワークフローをAlteryx Designerで開き、更新するとCollection内のワークフローを更新できます。
[file]>[Open Workflow]>[My Company's Gallery]を選択します。My Company's Galleryが表示されていない場合、[Add a Gallery]よりGalleryの追加が必要です。
[All locations]>[Workflows shared with me]へ移動すると、Collectionを通してシェアされたワークフローが一覧で表示されます。更新したいワークフローを選択するとDesigner上で開きます。更新したあとはいつも通りSaveボタンを押すことでワークフローを更新できます。
注意!
- ワークフローをアップロードする権限を持たないユーザー(Member/Viewer)は更新できない。
- ワークフロー自体はPrivate Studioに存在しているため、Private Studio上のワークフローが更新される。
- 複数のユーザーでワークフローを同時に更新することはできない
Collectionにてシェアされたワークフローはユーザーがupdateの権限を持っている場合、自分自身のPrivate Studioに置いているワークフローだとしても他のメンバーが更新できてしまいます。
Collection内のワークフローを削除する
Collectionからワークフローを削除するには、[Actions]にあるゴミ箱アイコンをクリックします。
CollectionにシェアしたワークフローをPrivate Studioから削除すると、自動的にCollectionからも削除されます。
Private Studioを追加する
CollectionにはPrivate Studioを追加することもできます。追加することでPrivate Studioに所属するメンバーを一度にCollectionに追加できます。
Collection運用例
Permission付与の例
CollectionのPermissionをつける例としては、Communityでは以下の通りに紹介されています。
| 役職 | 役割 | Permission |
| -- | -- | -- |
| 共同所有者 | Collectionの共同所有者にしたい人 | Admin |
| IT部門 | ワークフローやインサイトには興味が無いが、
Collectionの権限がつけられているべき人についているか定期的に確認したい | Assets
:なし
Users
:Add/Remove |
| 新人データアナリスト | ワークフローやインサイトをCollectionに追加する Alteryx Serverを使うのは初めて | Assets
:Add/Update(Removeは慣れてから追加する)
Users
:なし |
Collectionの使い方の例
ここでおさらいです。バージョン2019.2からは、Collectionに所属しているユーザーがCollection上のユーザー、ワークフロー、インサイトを追加・削除・変更できるようになりました。あくまでも一例ですが、以下のような運用ができます。
- 全てのユーザーが1つPrivate Studioを持つ(権限はArtisan)
- Alteryx Serverの管理者が用途に沿うCollectionを作成し、ユーザーやPrivate Studioを追加・権限を設定する
- ユーザーにはCollectionのUsersのPermissionは与えず、管理者が設定を行う
以下の例では、セールス用のCollectionを作り、セールス部門のユーザーを追加しています。
- Aさんはまだ新人なので、慣れるまではワークフローやインサイトを削除できないようにRemoveの権限を外しておく
- Cさんはワークフローの閲覧や実行だけを許可する
- ユーザー管理の権限は管理者以外持たない
- セールス部門以外のユーザーはCollectionに追加しない(マーケティング部門のDさんはCollectionのユーザーとして追加されていないのでアクセスできない)
この共有の仕方をする懸念点は以下の通り。
Q. 全員にArtisan権限を与えることで必要ない人まで自分のPrivate Studioにワークフローをアップできてしまうのでは?
A. そもそもAlteryx Designerのライセンスがない場合はArtisanの権限があってもアップロード自体できません。Designerのライセンス持つ場合でも、自身のPrivate Studioを持ちワークフローをアップできる方が作業用にワークフローを保管できるメリットもあります。
Q. 全員がArtisanとしてPrivate Studioを持つと、勝手にCollectionを作成できてしまうのでは?
A. Collectionを作成できないArtisanの設定は存在しないので避けられません。しかし、管理者であればCollectionの一覧を確認可能ですので都度チェックすることは可能です。Collectionはちょっとした社内のグループにも使えて便利ですので、各自でCollectionを作成できる方がむしろメリットがあると考えられます。
Q. 全員がArtisanの権限を持つと誰でもワークフローアップできるようになり、巨大なデータを含むyxzpをアップロードできてしまうのでは?
A. 現状では防ぐ手立てはありません。管理者であればDiagnostics(診断ページ)よりAlteryx ServerのメモリやCPUの使用状況を確認できます。
Q. Collectionを作るのもユーザーに権限を与えるのも管理者の役割にすると、管理者の負担が大きいのでは?
A. 管理者画面を確認できるCuratorは複数人に設定可能ですので、必要な人数に権限を付与して負荷を分散できます。
最後に
Collectionを使ったワークフロー共有の方法についてのご紹介でした。Alteryx Server2019.1より前のバージョンですと、Collectionでワークフローを他のユーザーに共有していても、ワークフローに更新をかけられるのはワークフローが配置されているPrivate StudioのArtisanのみでした。バージョンアップによりさらに便利になったCollectionを使い倒し、バンバン組織でワークフローやインサイトを共有していきましょう!
Alteryxの導入なら、クラスメソッドにおまかせください
日本初のAlteryxビジネスパートナーであるクラスメソッドが、Alteryxの導入から活用方法までサポートします。14日間の無料トライアルも実施中ですので、お気軽にご相談ください。